日常に欠かせない基礎となる知能
知能を構成している知能因子のなかでも「認知」と「記憶」は、頭が働くときに何よりも
まず最初に活動する知能因子です。さらに、学業成績の向上に必要な能力であるばかりでなく、
先生が話すことを理解したり、先生の口頭の指示に従ったり、宿題の内容を覚えたりすると
いった、学校における毎日の生活にも欠かせない能力です。
「認知」の働き
分かるとか、発見するとか、理解するというのは、全て「認知」の働きです。そして「認知」
されて新しく得られた情報は「記憶」の働きによって保持され、必要な時に思い出せるように
蓄えられます。この時、大事なところや既存の知識に紐づけられるところを整理して、さまざまな
情報を結びつけるのが「認知」です。しっかり認知されたところは記憶に残り、そうでないところ
は消え去っていくのです。
「記憶」の3つのプロセス
「記憶」には、記銘(情報を脳に取り込む段階)、保持(情報を脳に保持する段階)、想起(保持
した情報を引き出す段階)の3つのプロセスがあり、学習を効果的に行うためには、このプロセス
をうまくコントロールすることが必要です。記憶するというと、丸暗記とかつめ込みといった印象
を与えるため、記憶の保持が第一にされているように思います。しかし、覚えてしまうことより、
容易に思い出せるように情報を整理し記銘しておくことの方が大事なのです。
文字を覚えること
文字学習を例にすると、子どもが文字や数字に不慣れの段階では印刷された言葉は視覚的な
情報になります。向き、形や大きさで成り立っているからです。数も文字も「記号」の情報に
なりますが、まだ「図形」の情報にとどまっているのです。文字の並びに慣れ、その並びが何
かと結びついていることがわかり始めると、視覚としての「記号」を獲得したことになります。
さらに並びの意味が何かわかれば、そこに付随する「概念」も獲得したことになります。この
ように子どもが読めるようになる過程は「図形」から「記号」そして「概念」へと移っていく
過程なのです。そして、読むことを学び始めるとき、聴覚の「記号」つまり音声の情報にも関
わりますのでより複雑さが加わります。一連の過程のどこかで不具合が生じると学習に困難を
感じるのです。



