学習と知能因子「拡散思考と集中思考」

 物事を創造したり、複雑な問題を解決したりする生産的思考には、主に三つの知的な働きが必要
です。それは、論理的に一つの結論へ絞り込む集中思考、多角的な発想を生み出す拡散思考、
そし
てその結果を検討する評価の働きです。


 算数の問題は基本的に答えが一つであるため、体系的な思考を経て結論に到達するように作ら
ています。パターンや手順を記憶すれば解決できる問題も多く、少ない条件から多様な可能性
を探
り、複数の答えを見つけ出すという拡散思考を訓練する機会が失われがちです。

ここでいう算数的な「ひらめき」は、知能的には拡散思考の働きと「転換」(発想を別の形に変換
する能力)の所産です。この「ひらめき」に優れる子どもは、往々にして評価の働きに欠け
ること
があります。そのため、集中思考をしっかりと訓練し、ひらめきだけでなく、論理的で慎
重な思考
力を兼ね備えた知的優秀児へと成長させる必要があるのです。


一方、国語の学習では日常の言葉を使うため、一見すると大きな困難はないように思われます。

しかし、頭で考えた内容を口頭で発表したり、文章として表現したりする場面では、集中思考による
論理的な構成力が求められます。さらに、豊かな文章表現には拡散思考が深く関わってきます。


将来の能力を高めるためには、算数や文章表現といった具体的な課題をただ繰り返すだけでは
不十分です。学習の根幹となる拡散思考と集中思考の知能そのものを、バランスよく強化する訓練
こそが重要なのです。

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